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真愛~美女と野獣より・孤独な王子と黄色い薔薇の物語~
第4章 真実の愛に気づく瞬間
 彼はあの日―六月下旬の夢の夜と同じように黄色い薔薇のブーケを手にしていた。

「愛している。俺には、ローズが必要なんだ」

「もう、終わった話よ」

 ふと思った。アーサー王子は指輪をトーマスに渡してくれたのだろうか。見かけによらず思慮深いアーサー王子のことだから、まだ渡していないような気がする。



 何より彼はトーマスと自分が別れることに反対しているようだった。
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