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真愛~美女と野獣より・孤独な王子と黄色い薔薇の物語~
第4章 真実の愛に気づく瞬間
高価なものだし、早く返したいと思っていたから、いつでも返せるように持っていたのだけれど、やはりトーマス本人に返した方が良かったのかもしれない。
「トーマス、私は自分の留守に勝手に家に上がり込むような男とお付き合いする気はないの」
トーマスの白皙に血がのぼった。痛いところを突かれたのだろう。
「黙って上がり込んだのは悪いと思っている。でも、こうでもしなければ、君は俺と逢ってくれないと思ったんだ」