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真愛~美女と野獣より・孤独な王子と黄色い薔薇の物語~
第4章 真実の愛に気づく瞬間
「ローズ、僕は誰よりも君の幸せを願っている。君が彼を訴えないでくれと言うなら、もちろん、そうするよ」
「ありがとう、コリン」
微笑みかけると、コリンもにっこりと笑った。今までと何ら変わりない穏やかな微笑に、今は幾ばくかでも心が救われた。
一時間後、コリンは戸締まりを厳重にするようにとくどいほど念を押して帰っていった。コリンがいなくなった後、室内は研ぎ澄まされたほどの静寂に包まれた。