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真愛~美女と野獣より・孤独な王子と黄色い薔薇の物語~
第4章 真実の愛に気づく瞬間
「君に呆れられても仕方ないと思っている。だから、今まで言えなかった。俺はこんな男だ、君に振り向いて貰えなくて強引に迫ったり、皇太子という責任を放り出してリストカットするような、どうしようもない人間だ」
ロザリナの眼に涙が溢れる。
「ごめんなさい。私、あなたの―辛さも何も判ってあげられなくて」
「君は俺のために泣いてくれるのか?」
トーマスがロザリナのすべらかな頬をつたう涙を人差し指で拭った。