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第4章 真実の愛に気づく瞬間

　ロザリナは静かに嗚咽を洩らしながら頷いた。

「この醜い傷は俺自身の人生の汚点でもある。こんな傷を持つ男で、君は本当に良いの？」

「この傷も含めて、これまで生きてきたあなたの二十八年間すべてが好きよ、トーマス」

　そこで、ロザリナは自信なさげに声を潜めた。

「だけど、私は貴族のお嬢さまでもないし、外国人の庶民だわ。皇太子であるあなたにふさわしいとは思えない」