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真愛~美女と野獣より・孤独な王子と黄色い薔薇の物語~
第1章 孤独な王子

しばらく静かな時間が続いた。ややあって、彼女が言った。
「何か喋って」
「え?」
トーマスはまじまじと彼女を見つめる。
「話しながら描いてゆく方がリラックスできるのよ。写真と同じね。モデルが緊張していたら、良いものが撮れないでしょう」
そう言われると、かえって話し辛くなってしまう。年頃の女性と二人きりで会話するのは久しぶり―初めてと言った方が良いかもしれない。
少女が溜息をついた。
まずい、つまらない男だと思われただろうか。
「じゃあ、私が質問するわね」
「ああ、そうしてくれ。その方が話しやすい」
「何か喋って」
「え?」
トーマスはまじまじと彼女を見つめる。
「話しながら描いてゆく方がリラックスできるのよ。写真と同じね。モデルが緊張していたら、良いものが撮れないでしょう」
そう言われると、かえって話し辛くなってしまう。年頃の女性と二人きりで会話するのは久しぶり―初めてと言った方が良いかもしれない。
少女が溜息をついた。
まずい、つまらない男だと思われただろうか。
「じゃあ、私が質問するわね」
「ああ、そうしてくれ。その方が話しやすい」

