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真愛~美女と野獣より・孤独な王子と黄色い薔薇の物語~
第1章 孤独な王子

チラリと彼女がこちらを見るので、彼は肩を竦めた。
「ごめん。口下手で」
「良いのよ、気にしないで」
少女はトーマスを見て、にっこりと笑った。
「あなた、私が子どもの頃に読んだ童話の王子さまにそっくりだわ」
「俺が王子さま?」
思わず声が裏返った。確かに自分は一応、〝王子〟と呼ばれる立場ではある。この娘はもしや自分の正体を知っているのか?
確かに皇太子である彼の写真は時折、新聞を飾ることはある。だが、エーデリンデ王国の王室はプライバシーを重んずるため、国王、王妃は別として皇太子以下、王族の画像があまり出回ることはない。
「ごめん。口下手で」
「良いのよ、気にしないで」
少女はトーマスを見て、にっこりと笑った。
「あなた、私が子どもの頃に読んだ童話の王子さまにそっくりだわ」
「俺が王子さま?」
思わず声が裏返った。確かに自分は一応、〝王子〟と呼ばれる立場ではある。この娘はもしや自分の正体を知っているのか?
確かに皇太子である彼の写真は時折、新聞を飾ることはある。だが、エーデリンデ王国の王室はプライバシーを重んずるため、国王、王妃は別として皇太子以下、王族の画像があまり出回ることはない。

