パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第2章 王子の嫉妬

　それでも、コリンは心のどこかで願っていた。生まれてくる子どものためにも、彼女が心変わりしてくれることを。だが、彼女は出産を終えるやいなや、彼の許を去った。生まれたばかりの小さな息子を残して。

　その頃、既にコリンの彼女への愛はとうに冷めていた。しかしながら、息子のためには彼女がその気になるなら、夫婦として―子どもの両親として一生を共にしようと決めていたのだ。
　

　コリンはやむなくシングルファーザーになった。まだ生後まもない息子を保育園に預け、診療所でたくさんの患者を診た。彼とロザリナが知り合ったのは丁度、フィリップが四歳になった頃である。保育園に迎えにきてくれた大好きなパパと一緒に、フィリップはビル前まで帰ってきた。ビルにエレベーターはない。