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第2章 王子の嫉妬

　やがて彼女は妊娠する。コリンはもちろん、彼女がモデルを止めて自分の妻になってくれると信じていた。しかし、彼女は言った。

―冗談じゃない。妊娠したのは予定外だったのよ、生むつもりはないわ。

　コリンが幾ら説得しても、彼女はイエスと言わなかった。コリンにしてみれば、可愛い我が子を闇に葬るつもりはなかった。話し合いの末、出産まで仕事ができない彼女のために、コリンは莫大な慰謝料を払い、身二つになった暁には彼女は赤児をコリンに渡し、二度と父子とは拘わらないという結論に達した。その念書も作成した。