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真愛~美女と野獣より・孤独な王子と黄色い薔薇の物語~
第2章 王子の嫉妬

幸運なことに、フィリップは軽い脳震盪を起こしただけで済んだ。ロザリナはフィリップが意識を取り戻した明け方まで、ずっとコリンと共に診療所でフィリップに付き添っていたのである。
以来、フィリップはロザリナに良く懐いた。四歳のフィリップは母親を知らない。だから、ロザリナを〝ママ〟と呼び慕った。ある時、コリンがフィリップに
―ローズはママではないのだから、そう呼んではいけない。
と、諭すと、フィリップは泣いた。
―どうして? どうしてママって呼んじゃ駄目なの? それなら、パパ、ローズと結婚してよ、パパの奥さんになれば、僕がローズをママと呼んでも良いんでしょ。
以来、フィリップはロザリナに良く懐いた。四歳のフィリップは母親を知らない。だから、ロザリナを〝ママ〟と呼び慕った。ある時、コリンがフィリップに
―ローズはママではないのだから、そう呼んではいけない。
と、諭すと、フィリップは泣いた。
―どうして? どうしてママって呼んじゃ駄目なの? それなら、パパ、ローズと結婚してよ、パパの奥さんになれば、僕がローズをママと呼んでも良いんでしょ。

