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キスをして
第5章 小塚の本領
作業を終えた頃には1時前になっていた。
いつの間にか小塚さんは眞木君と日下さんと共に休憩所で和気藹々と雑談している。

「日下さん、それ言うと間宮さん怒りますよ」

「プリンのお礼に情報交換は大事だよ」

ん?怒る?

「りっちゃん、ハプバーに興味があるんだって」

「違います!!」

「日下ぁ、間宮の名誉の為に言っとくがハプバーじゃなくてカップル喫茶だ」

名誉って‥その発言も名誉を奪ってますよ橘さん!

―――――

むーーー。

「何を膨れてるんですか。僕は楽しかったですよ」

あなたが楽しくても私は恥を晒し続けた気分だわ。

男4人はえらく盛り上がり日下さんに気に入られた小塚さんは私を迎えにくる権利を獲得した。(もちろんそんな権利は存在しないし、いらない)

ビルを降りれば通用口には似つかわしくない赤い車が横付けされていた。アウディなのはマークで分かったがこんな車だったっけ?とあたふたしてると眞木君が言うには3000万円近くするらしいスポーツカーと教えられて困惑してしまった。

「楽しい会社ですね」

「私をからかうのが楽しいんですよ」

「間宮さんに構って貰いたいんじゃないですか?アイドルポジションなんでしょう?」

「アイドルなんて柄じゃないんですけどね」

「確かに仕事に集中するとアイドルらしからぬ表情でしたけど」

「目つき悪いでしょ」

「いいえ、格好良かったですよ。眞木さんの尊敬するがよく分かりました」
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