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第7章 小塚の憂い

家中に響いたであろうインターフォンに動きが止まった。

「小塚さん‥鳴ってます」

「そうだね」

「あの…」

一度ならず何度も重ねられた音は無視できる様な状態ではない。

「俺は気にしない」

「私は気になります…」

こんな状態で続けられるほど私は強くないです。
いつまでも鳴り続けるインターフォンは出ないと止まりそうにない。

「ふざけんな…」

え!?小塚さん？
最近黒い小塚さんが見えているけど大丈夫？

「はぁ～最悪、待ってて。追い返す!」

さっさと私から離れ部屋を出て行く。
しばらくすると階下から騒がしい声がしたかと思えば声が近付いてくる。

ヤバッ
服っ！服着なきゃ！

ガチャ―

「開けるな。分かったからリビングで待ってろ」

薄く開かれたドアから声が聞こえる。追い返すのは無理だったみたい。
どうやら私は帰った方が良さそうだ。

「間宮さん」

扉の隙間から憔悴気味の顔だけ出して悲しそうな声でなにやら目が訴えてくる。

「私帰りますね。静かに帰れば気付かれないと思うし」

「いや、待っていて貰えると「本当に女の子がいた」

「きゃあぁぁっ！」

小塚さんの足元から顔だけ覗かせる女の顔に思わず叫んでしまった。