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キスをして
第8章 二人の関係
間宮さんが彼の車で出て行ってから気分が落ち着かず気晴らしに作業台に向かった。
帰ってくるとは言っていたがどうにも落ち着かない。間宮さんを信用していないわけじゃない。が、あの男が信用できない。
気晴らしに始めたはずの作業も進まないまま10時半を過ぎた頃店の前に車が停まった事に気付いた。
思っていたよりも早い帰宅に安堵した。
しかし、車から降りる様子がない。
不思議に思い外を確認しようと近付くとドアの閉まる音がした。
あからさまに待っていましたと入り口に立つのもバツが悪い。
作業場に急いで戻ったと同時に扉が開いた。
「おかえり」
「ただいま」
部屋に上がろうと思ったが何かを話したそうにしている彼女に止められた。
「黒沢さんは大学の先輩でいつも側にいてくれた友人で今の会社に誘ってくれた人です。だから何があっても黒沢さんを嫌いにはなれません。でも黒沢さんにさっき言われました。中途半端は辛いって…ハッキリしないから私も辛くなるんだって今ならちゃんと分かります。だからちゃんと言ってきました」
なにが言いたいんだろうか。俺に聞かせたい話なんだろうか。
「小塚さんが好きだからって…」
小塚さんが私を見たまま止まってしまった。反応がない。伝わってないのかな‥?
「小塚さ‥」
呼び掛けようとした途端私の顔を隠すように抱き締められた。
「じっとしてて」
「どうしてですか」
「どうしても」
顔を上げようともがくが大きな手で押さえ込まれてビクともしない。
帰ってくるとは言っていたがどうにも落ち着かない。間宮さんを信用していないわけじゃない。が、あの男が信用できない。
気晴らしに始めたはずの作業も進まないまま10時半を過ぎた頃店の前に車が停まった事に気付いた。
思っていたよりも早い帰宅に安堵した。
しかし、車から降りる様子がない。
不思議に思い外を確認しようと近付くとドアの閉まる音がした。
あからさまに待っていましたと入り口に立つのもバツが悪い。
作業場に急いで戻ったと同時に扉が開いた。
「おかえり」
「ただいま」
部屋に上がろうと思ったが何かを話したそうにしている彼女に止められた。
「黒沢さんは大学の先輩でいつも側にいてくれた友人で今の会社に誘ってくれた人です。だから何があっても黒沢さんを嫌いにはなれません。でも黒沢さんにさっき言われました。中途半端は辛いって…ハッキリしないから私も辛くなるんだって今ならちゃんと分かります。だからちゃんと言ってきました」
なにが言いたいんだろうか。俺に聞かせたい話なんだろうか。
「小塚さんが好きだからって…」
小塚さんが私を見たまま止まってしまった。反応がない。伝わってないのかな‥?
「小塚さ‥」
呼び掛けようとした途端私の顔を隠すように抱き締められた。
「じっとしてて」
「どうしてですか」
「どうしても」
顔を上げようともがくが大きな手で押さえ込まれてビクともしない。