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キスをして
第8章 二人の関係
「そんな事?」

「大事なことだよ。やっとあなたにキスできるんだ。にやけてる顔なんて嫌だろ」

夢見てんのは小塚さんの方じゃない!
全く‥本当、大人なんだか子供なんだか分からない人だなぁ。

「ふふふっ」

「笑わない」

握られた手は私を連れて座敷に腰を下ろした小塚さんの膝の上に跨ぐように膝立ちで乗せる。

「俺の上に座って、近くでキスしたい」

言われたとおりに膝に座るとお尻を掴まれて腰を寄せられる。
だぼっとしたズボンじゃ分かりづらかった小塚さんの熱が私の下に当たってすべての意識が小塚さんに奪われる。

髪を掻き上げられた額に唇が触れる。
それだけで私の息が上がっていく。
額同士を合わせ私の呼吸に息を合わせてゆっくりと唇が重なっていく。

啄むように唇を愛撫するキスは私の欲情だけを煽っていく。

「は‥」

「『もっとして』?」

「まだ焦らすの?」

「先に焦らしたのはそっちだよ」

「!ん‥っんは‥」

優しく触れていた唇の愛撫が性急なものに変わる。

私の首筋に手を当て顎を親指で押さえられ口を開かせ漏れる吐息も唾液すら呑み込むように私の全てを絡め取っていく。
小塚さんから与えられるキスは苦しくて酸素を求めて唇を離しても隙を与えない。
縋るように唇を求めて縋っているのはどちらなのか分からないほどにお互いの熱と欲は激しく高ぶっていく。
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