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キスをして
第9章 小塚の本懐
羞恥と動揺が隠せない程に手が震える。

「ふふ‥まだギブアップしないの?」

「あ、遊んで‥」

「ごめん、真っ赤になって必死に堪えてるのが可愛くて‥痛っつ!」

「ごめん思わず手が」

うっかりにやけた彼の頭を叩いてしまった。からかわれていた怒りより応えようとした恥ずかしさからの反射だった。

「おいで律。もう意地悪しないから」

誠司の足の間に膝を滑り込ませ首に腕を回す。

「誠司‥キスしていい?」

「もちろん」

近付く唇をお互いに見つめ合う瞬間が好き。包むように下唇を柔く噛みそれを合図にして舌で口内を掻き回される。
漏れる息も流れ落ちる唾液も全てを飲み込んでいく。
私の下にある触れてもいない熱がせり上がるように欲望を促す。

「キスしているだけなのにもうイきそうな顔してる」

「はぁ‥はぁ、だっ―」

深くなるキスに溺れる程苦しくなって唇を宙に向けると首元に舌が這う。

「んっ―はぁあ‥ん」

私をソファに寝かせて私のズボンを見せつけるようにゆっくりと脱がせ湿った下着の上を撫で上げる。

「濡れすぎて形が分かるね。したくて堪らなかった?」

「‥焦らさないで‥」

「焦らす?ここを触ること?」

「あああぁっ!」

「まだ直に触れてないのにイったんだ」

陰核を指でキュッと挟みスライドされただけで体が跳ね上がる。
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