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キスをして
第10章 珍事と感傷
「おはよう間宮」
「橘さん、おはようございます。一昨日はすみませんでした」
「いや別にいいんだけど俺の方こそ悪いな」
「何がで…!」
ズイッと目の前に掲げられたのは分厚い発注書の束。納品の日付が近い物から先の物まで様々だ。
「何ですか?」
「間宮さぁ最近恋も仕事も順調よって感じだろ?そんな頑張りすぎる間宮に嬉しいお知らせがあるんだよ」
「はっきり言って下さいよ」
「デザインが高評価でね。俺も心苦しいんだよ?家でゆっくりしたい間宮の気持ちも痛いほどよ~く分かる。でも自分のデザインの需要が増えるのは嬉しいよな?」
「ま、まさか‥」
続けられる言葉に一つの予感が走る。
その言葉を聞いたら諦めなくてはならない。
「指名入りました!徹夜復活かな?」
困った顔をしながらも嬉しげに笑う橘さんは私のデスクに大量の発注書を置いていく。今の手持ちからではどう考えても帰る余裕なんてなさそうだ。
「りっちゃん!おはよう~ってどうした!?顔色悪いぞ!!」
最悪だ。
恋も仕事も順調よ?今サクッと恋を取り上げられた気分だわ。
「うわ!りっちゃんこれ全部指名!?」
横で私の徹夜生活復活の幕開けを喜ぶ日下さんを牽制する気力も起きやしない。
「橘さん、おはようございます。一昨日はすみませんでした」
「いや別にいいんだけど俺の方こそ悪いな」
「何がで…!」
ズイッと目の前に掲げられたのは分厚い発注書の束。納品の日付が近い物から先の物まで様々だ。
「何ですか?」
「間宮さぁ最近恋も仕事も順調よって感じだろ?そんな頑張りすぎる間宮に嬉しいお知らせがあるんだよ」
「はっきり言って下さいよ」
「デザインが高評価でね。俺も心苦しいんだよ?家でゆっくりしたい間宮の気持ちも痛いほどよ~く分かる。でも自分のデザインの需要が増えるのは嬉しいよな?」
「ま、まさか‥」
続けられる言葉に一つの予感が走る。
その言葉を聞いたら諦めなくてはならない。
「指名入りました!徹夜復活かな?」
困った顔をしながらも嬉しげに笑う橘さんは私のデスクに大量の発注書を置いていく。今の手持ちからではどう考えても帰る余裕なんてなさそうだ。
「りっちゃん!おはよう~ってどうした!?顔色悪いぞ!!」
最悪だ。
恋も仕事も順調よ?今サクッと恋を取り上げられた気分だわ。
「うわ!りっちゃんこれ全部指名!?」
横で私の徹夜生活復活の幕開けを喜ぶ日下さんを牽制する気力も起きやしない。