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キスをして
第11章 小塚誠司
「じゃあ新年会」

「時期過ぎました」

「歓迎会」

「もう辞めたじゃないですか」

「慰安会」

「いあ…慰安会する為に血眼になって仕事するのが慰安会?」

「打ち上げで良いだろ。アホな掛け合いしてないで仕事して下さいよ。今から打ち合わせするんで静かにして下さい」

鋭い目で黒沢さんに叱れて大人三人が萎縮する。

「去年の飲み会以来黒沢さんちょっと丸くなった気がするの俺だけですか?」

「私には前からああですよ?もっと砕けてますけど」

「取引先来る前に真面目な振りしとこうぜ」

再び叱られることを恐れてすごすごとデスクについた。
お姉さんに貰った連絡先も登録をしたまま連絡せずにいる。なんて連絡すればいいのか考えていたらしづらくなってしまった。誠司にもあれこれ聞くことも出来なくてもやもやしたまま数ヶ月も放置してしまった。

仕事が忙しくて良かった。ピークを終えた今は徐々に今までのペースに戻りつつあるから毎日顔を会わすようになるのが容易に想像できて怖い。

「皆さんコーヒーどうぞ」

「佐伯さんありがとう」

「接待さんのついでですよ」

最近前にも増してフワフワな雰囲気が彼女を包んで可愛さが倍増している。

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