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キスをして
第11章 小塚誠司
「もう少しで終わるから待ってて」

焦ったように作業着から私服に着替えに行く誠司を見送り小上がりに座った。

昨日は慰安会前日と言うこともあって仕事の上がりは遅くはなったが午後7時からの開始のお陰でゆっくりできた。

「お待たせ。行こうか····どうかした?」

「誠司はやっぱりそうしてる方がいいよ」

「惚れ直した?」

「髪上げてる方がかっ··若く見える」

「普段は!?」

格好いいと言いそうになってやめた。
調子にのってからかうに決まってるんだから。
駅へ歩き始めると同時にさも当然だと言わんばかりに指をからめた。
誠司に慣れたのか恋人らしい行為に慣れたのかは自分自身あまりよく分からない。
でも嫌だとも恥ずかしいとも思わなくなってきたのは確かだ。

「二人で電車乗るなんて久し振りだね」

「強引に美術館行った時以来ね」

「確かにちょっと強引だったかな」

「自覚あったんだ」

「それはさ··律を誘い出そうと必死だったからね」

「へ?チケットは余ったんだよね」

「それ本当に信じてたのか──言わなきゃ良かった」

まさかあんなさらっと人を困らせるのが計画の内だったなんて思わないでしょ。
かと言ってばつが悪そうに顔を背けている誠司が嘘なはずはない。

「初めからキャンセルなんてなかったんだ?」

「律以外誘う気無かったよ。約束キャンセルされたなんて在り来たりな口実しか思い付かなかったんだし多少強引でも誘い出したかったんだよ。一回目を失敗したら更に距離取られると思って··この話やめようよ」

恥ずかしさの限界なのか珍しく赤くなった顔を隠すように私を引き寄せ視界から外させた。

「今日は皆揃うのかな」

「うん。揃うよ。他の人も誰か連れてくると思うから私も知らない人多いと思う。皆飲み会だけは次の日考えずに呑むから騒がしいと思うよ」

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