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キスをして
第11章 小塚誠司
「仕事しろよー」
人の頭を鷲掴みにしながら黒沢さんが顔を覗かせる。
「間宮。おかしいのは会社じゃなくてコイツらのノリがおかしいんだよ」
「黒沢さん酷いですよ」
「あんまり何でも話してやるなよ。間宮の自由な時間がなくなるだろ」
よく分かっていらっしゃる。
だけどもう連絡しちゃったのなら仕方ない。
誤魔化すしかないかと思うけど勝てる気がしないし、
飲み会参加決定だとは思う。
帰ったら言われちゃうかな。
「黒沢さん?いつまでも彼氏持ちの女性の頭に手を乗せるのは良くないと思いますよ?」
·······
佐伯さんの冷ややかな声に静かに従う黒沢さんは遅れてきた橘さんに書類を受け取って出て行った。
同時に私に降ってきた発注書が仕事へと引き戻してくれた。
終電が出てから1時間後誠司からの迎えの連絡が入った。
昨日しっかりと連絡を入れてないことを叱られた為に暫くは連絡をせざるを得ない。
すぐに階段を駆け降りて通用口に横付けされた車に乗り込んだ。
「おかえり」
「··ただいま」
「車に乗るのがそんなに緊張する?」
静かに車を発進させ交通量の少ない道をゆっくりと走って行く。
「そういう訳じゃないけど」
「仕事はちゃんと出来た?」
「へ?··あ、出来ました!」
愉快そうに笑う誠司にばか正直に答える自分が恥ずかしくて窓の外に目をやった。
「飲み会」
「ん?」
「来る?普段なかなか外食できないし。バーベキューでも良いならね」
「どうしたの?いつもなら来なくて良いってはっきり言うのに」
「私が会社の飲み会で飲んで帰ってきたら嫌かなと思って····いつも気にするじゃない。それに誠司いた方が日下さん達に色々聞かれなくて済むから」
「じゃあ行こうかな。律が苛められると嫌だからね」
いつもみたいにからかわれるかと思ったのにそんな風に優しく微笑まれたら調子狂うじゃない。
「よって次からは土日休むって言ったけど皆を飲み会参加させるために土曜日も働くから」
「え。やっぱり中止にならない?」
「なりません」
人の頭を鷲掴みにしながら黒沢さんが顔を覗かせる。
「間宮。おかしいのは会社じゃなくてコイツらのノリがおかしいんだよ」
「黒沢さん酷いですよ」
「あんまり何でも話してやるなよ。間宮の自由な時間がなくなるだろ」
よく分かっていらっしゃる。
だけどもう連絡しちゃったのなら仕方ない。
誤魔化すしかないかと思うけど勝てる気がしないし、
飲み会参加決定だとは思う。
帰ったら言われちゃうかな。
「黒沢さん?いつまでも彼氏持ちの女性の頭に手を乗せるのは良くないと思いますよ?」
·······
佐伯さんの冷ややかな声に静かに従う黒沢さんは遅れてきた橘さんに書類を受け取って出て行った。
同時に私に降ってきた発注書が仕事へと引き戻してくれた。
終電が出てから1時間後誠司からの迎えの連絡が入った。
昨日しっかりと連絡を入れてないことを叱られた為に暫くは連絡をせざるを得ない。
すぐに階段を駆け降りて通用口に横付けされた車に乗り込んだ。
「おかえり」
「··ただいま」
「車に乗るのがそんなに緊張する?」
静かに車を発進させ交通量の少ない道をゆっくりと走って行く。
「そういう訳じゃないけど」
「仕事はちゃんと出来た?」
「へ?··あ、出来ました!」
愉快そうに笑う誠司にばか正直に答える自分が恥ずかしくて窓の外に目をやった。
「飲み会」
「ん?」
「来る?普段なかなか外食できないし。バーベキューでも良いならね」
「どうしたの?いつもなら来なくて良いってはっきり言うのに」
「私が会社の飲み会で飲んで帰ってきたら嫌かなと思って····いつも気にするじゃない。それに誠司いた方が日下さん達に色々聞かれなくて済むから」
「じゃあ行こうかな。律が苛められると嫌だからね」
いつもみたいにからかわれるかと思ったのにそんな風に優しく微笑まれたら調子狂うじゃない。
「よって次からは土日休むって言ったけど皆を飲み会参加させるために土曜日も働くから」
「え。やっぱり中止にならない?」
「なりません」