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第11章 小塚誠司

「あのっ。実は俺皆さんに言いたいことがあって」

見知らぬ彼の発言で私達の回りが静まり返っていると真木君が神妙な面持ちで口を開いた。

「真木？どうした？」

流石の日下さんも空気を理解したのか心配し出している。

「あの··実は···いつか言わなきゃと思ってたんですが···」

まさか··この雰囲気は···

「あのっあ··のっ」

「ま··」

「律」

あまりにも苦しそうな真木君を落ち着かせようと声を掛けようと立ち上がると誠司に制止された。

「俺っ実は···ぃなんです」

「真木？」

「俺実はゲイなんです！」

！！······

「マジで!?··アレなんで皆そんな真木のカミングアウトに冷静なの！」

「日下··多分薄々皆感付いてたかな」

「「そうなんですか!?」」

思わず私まで声を出してしまった。

「間宮そもそも疑い始めたのはお前が原因だからな」

「間宮さん何か喋ったんですか!?」

「まさか！」

私なんかしたっけ!?

「仕事中男とはそれなりに距離を取る間宮が真木とは距離近かったからな」

「りっちゃんそんな距離取る？」

「日下それはお前が間宮にいきなり寄るからだ。いつも間宮にキツイ言い方されんのはそれが原因。真木が同じ位近付いても間宮が一切反応しないには理由がある筈だからな」

私そんなに態度に出てましたか。
何かごめんね真木君。

「じゃあ俺別に言わなくても」

「いや、言ってくれて良かったけどね。日下が合コン連れ出すからどうするかなと皆で悩んでたんだ。ほら､日下しつこいからさ」

「ん？待って··真木君じゃあこの方は？」

「─··彼氏です···」

やっぱり彼氏さんだったのね。

「ちょぉっと待ちなさい！真木という恋人がいながら小塚さんへのその発言はおかしいだろう！」

あっまたには正しいこと言った。

「別に深い意味はないですよ。いつも小塚さんは可愛いって言うからどんな人かと思っていたら格好いい感じだったんで」

「真木？まさかお前··」

疑問に思ったことは幾度となくあった為食い入るように真木君を見つめた。