パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第11章 小塚誠司

「大丈夫です。もうバッサリとフラれてますぅ」

「ははっ」

「誠司!?」

笑ってる場合じゃないでしょ！

「何もなかったよ？ねぇ真木君」

何か隠してる気がして堪らない。

「間宮さん本当に何もないですよ！」

嘘だよ！

ポーカーフェイスを崩さない誠司と違って顔が赤くなっている真木君はとても分かりやすい。
気になるけど確かにこんなところで変なこと言われたらたまったものではない。

「····黒沢さん。何笑ってるんですか」

私の横で我関せずを通しているかと思えばひたすら笑いを噛み殺している。

「い～や？」

「声震えてますけど？もしかして」

「知ってた」

知ってたの!?
なんで私だけ知らないのよ！
何故あんなに仲が悪そうだったのにこんなに仲がよくなったのか謎だわ。

「じゃあ真木が馴染めたってことで乾杯！」

「「「「かんぱ～い」」」」

「ファイト～間宮」

来たよ４回目。２順目かぁ。

「律。俺に呑ませて」

「うわ～イケメン振ってるわ」

「振りも出来ないと大変ですねー」
　　　
「やっぱり仲悪いの？」

「「普通かな」」

····やっぱり仲悪いのかな。

「おかしい····なんで小塚さん酔わないんだよぉ」

誠司を酔わせて何やら企んでいた日下さん始めデザイン部一同は顔色一つ変えない誠司に敗北を理解したらしい。
ワインや焼酎で酔う筈はないことは私がよく分かっている。
だからこそ２度目のお酌を全て誠司に任せたのだから。

「皆さん良いんですか？ゲスト放っておいて」

誠司の質問には納得だ。
テーブルの隅に固まってゲストだけで楽しんでいる。
自分達が呼んだ筈の彼女や奥さん達を何故放っておくのか。

「皆一緒に飲もうとしたんですよ。だけどデザイン部に振り回される女達の集い？がしたいらしくて」

「····恨まれんてんのか」

「りっちゃん··女の人って恐いよね」

「いや、私に言われても」