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キスをして
第3章 間宮の憂鬱
「僕変な事しました!?」

変な事はしてない‥かなぁ?
でもちょっと変態チック?
そういえば挿れなかったよね。てっきり挿れられるのかと思ったのに。

「また変なこと考えてますね」

「考えてないですよ」

「でも物欲しそうな顔してましたよ?」

―――――!

「してませんっ」

自分の顔が一瞬で沸騰したのが分かる。
小塚さんが私を見て笑いを耐えているのは私の顔が赤いせいだろう。

やっぱり可愛いなんて気のせいだ。
私をからかって遊ぶ人が可愛いわけがない。

「今度はちゃんとゴム用意しておきますね」

「結構ですっ」

「困ったな……生が良いんですか‥」

「違うから!」

「でしょう?」

私が拒まないの前提か!?
確かに拒まなかったけど…

「間宮さん」

私をしっかりと自分に向き合わせ真面目な顔で見つめ直す。

「………?」

「僕のこと好きですか?」

…………………
「キスは好きかな?」

考えた結果だった。
流されたのかも知れないし絆されたのかも知れないが好きとは言い切れない。強いて言えばこうなったのはあの時の唇の感触が気持ちよかったからかもしれない。

「キスだけ?」

ズイッと近付けてくる顔にドギマギしてしまう。

「きっキスだけ」

「じゃあ今度からキスしません」

…………!?

何その宣言。

「俺のことを好きだと言えたらキスしてあげる」

そんな馬鹿げた宣言をする男は妖艶に笑った。
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