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第12章 ファーストキッスはレモンの味なんて嘘じゃないか！

その見上げた顔が、桐生にとって

とてもエロく見えていたなんて、

彩香が分かる訳もなく、

ただ睨み付けていた。

桐生は、そんな彩香の唇に

優しくキスをしていた。

彩香は、何が起きているのか、

一瞬理解出来なかった！

チュッ、チュッ、チュッ

３度も啄むようにキスされた。

彩香は、ファーストキスって

レモンの味がするんじゃなかったの？

もっと感動的で、キュンキュンするものだと

思ってたのに、嫌だ！怖い！気持ち悪い！

息もできなくて、口をきつく瞑ってた！

目には大粒の涙が溢れ出していた。

あまりに息が苦しくて、

唇を、少し開けてしまった。