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第3章 なにごとも諦めが肝心

「あん‥た、なんで、一緒に寝てるのよ！」

離れようとぐっと胸を押しやるがびくともしない。

背中をさすっていた手がするりと、後頭部に回り優しく上を向かされる。

あせって、見上げると。

「んっ」

ちゅっと軽くキスされた。

「な‥」

驚いて絶句していると、するりとＴシャツのなかに大きな手が差し込まれてきた。

「ちょ、ちょっと待って！！」

「ん？」

「な、な、なにしてるわけ？」

「お前、空気読めないな。ちょっと黙ってろ」

「なっ」

「あ、黙ってたらつまんないな。声は出していいぞ？
好きなだけ喘げ。」

そう言いながら、Ｔシャツをまくりあげてくる。

ブラしてないんだけど！

「だぁから！そうじゃなくて！なんで、セックスする流れになってるのよ！」

必死でＴシャツを下ろそうとする手を、取られ、そのまま男の口元に
寄せられる。

ペロリと赤い舌が私の人差し指を舐め上げた。

「俺が、お前を食べたくなったから」

な、な、何恥ずかしーこと平気で言ってんの？！
そして、会話が全然噛み合わない！！

正直言って蒼井ユラは貞操観念が低い方ではあった。
セックス自体嫌いではないし、男性と付き合ったことももちろんある。
すぐ別れるけど。

しかし、目の前のこの男は、例えるなら黒ヒョウの様なこの男は、
危険だと、自分の中の何かが警報を鳴らす。

「それに、お前に興味がある」

そう、ニィと笑って呟くと、また深く口付けてきた。

「んっ、ふ、あ、んっー」

何度も角度を変えて、舌が差し込まれて絡められて吸い上げられる。
息をする暇もないほど、深く深く。

‥‥頭が、溶けそうだ。

酸欠でぼうっとしていると、いつのまにかＴシャツがまくられ、

胸が露わになっていた。

ゆっくりと大きな手のひらで撫で上げられると、背中がゾワリと粟だつ。

胸の先をまるで見せつける様に、赤い舌を出してゆっくりと舐めあげる。

「っあ」

ぱくりと口に含まれ、吸われ、舐められ、捏ねられる。

もう片方は大きな手で揉まれている。

拒まなくちゃ、と頭で考えるのに、
頭がぼうっとして、与えられる快感のせいで考えがまとまらない。