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シャネルを着た悪魔
第5章 ☆CHANEL NO5☆


「そんなの──」

「わかんないわよ。ただ、丁度──いいタイミングで財閥のニュースが流れてた。カルティエ銀座店の店長の態度や、貴方の表情・行動を思い返してみて」

「もしかするとサファイアのリーダーとして以前に──何か、大きな力を持ってるんじゃないかと思った」


「それだけで韓国まで乗り込んできたのか。」


「私もアホじゃないのよ。女の勘ほど当たるモンはないの」



「ねえ──」


「何だ」



「私の全て、返してよ」



「ああ?」



「──私が集めてきた『本物の資産』返してよ」


一生懸命に紡いだ言葉は、いつもの強気な私から発された言葉じゃない様にすら思えた。

それほどまでに──か弱く思い詰めている声だったのだ。


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