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シャネルを着た悪魔
第5章 ☆CHANEL NO5☆
「……ははっ」
乾いた笑いを出したテヒョン。
彼の目は凄く変。
冷たいとも思えるし、逆に好奇心旺盛な子供みたいな目にも思える。
「そういう所なんだよ」
「普通なら、誰しもが喜ぶ道をお前は泣いて拒絶するだろ」
「誰しもが喜ぶ『ソン・テヒョン』という帝国グループの次男であり、世界的なグループ『サファイア』のリーダーである俺を……」
「泣いて拒絶するだろう?」
「そこなんだよ。」
「俺は『普通じゃない柳沢リサ』に惚れたんだ」
「悪いけど、俺はここまで来たら一歩も引けねえ」
「お前が引くしか──無い状況なのは、自分が一番よく分かってんじゃねえのか?」
淡々と言われた言葉は冷酷な人間の言葉、そのものだ。