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シャネルを着た悪魔
第6章 ☆CHANEL NO6☆
──2月4日、あの大事件から一か月が経とうとしていた。
私の目の前には大量の段ボール。
一生忘れる事の出来ないあの日……悪魔の囁きを『ドヤ顔』で私に告げた彼は、何も言わずに家のキィを渡してきた。
そのキィが──今私が此処に居る事と繋がる。
涙と悲しみが来る理由は”悲しい”という感情を持つからだ。そんな感情を持った私は、一週間ほどロクにご飯も食べなかった。
言葉も分からないこの土地で、私は彼のご飯を作るワケでも『行ってらっしゃいのキス』をするワケでも無く、ずーーっと部屋にこもっていた。