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シャネルを着た悪魔
第7章 ☆CHANEL NO7☆
本当に約束通り30分丁度で帰ってきた彼は、ティーちゃんの魔法によって見違えるほど変身した私を素直に褒めた。
『とても綺麗です』
と、彼特有の日本語で。
ティーちゃんも少しは、日本語が理解出来るのだろう。誰よりも嬉しそうな顔をして私のことをキツく抱き締めたのだ。
何食わぬ顔でそれを受けた私とティーちゃんが、なぜ30分でそんな関係になったのか──テヒョンはきっとそんな疑問を抱いたに違いない。
でも彼女は人の扱いをよくわかっている。人間というのは──先に本来なら隠したい部分を打ち明けてくれると、何故かその人物を大事にしたいとか、可愛がってあげたいと思うものなのだ。
「23時40分に、ブリッジカフェで待ち合わせになった。──お前らそんな仲良くなったなら、ティーも行くか?」
「オッパ!いいの?」
「ああ。」
「カフェってなに?ご飯じゃないの?」
「ブリッジカフェは、クラブの落ち着いたバージョン。飯も有るし酒も有るし、ただ音楽が他のレストランより大きくてEDMってだけだよ」