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シャネルを着た悪魔
第8章 ☆CHANEL NO8☆
───三か月が経った。もう3月の20日。
この韓国にきて三か月……。時の流れは無情で、今では母親に電話する時も『ヨボセヨ~』なんて言っちゃってる私。
未だにフェイスブックもツイッターもさせてもらえないけど、この三か月間はウォーキングしたり化粧落としの基礎をティーに教えてもらって毎晩、四苦八苦しながら丁寧に落とす様に心がけたり──。
後はジムに行ったり、韓国語の勉強もしたり、結局の所…そんなにSNSをする暇がなかったのが本音だ。
帝国としての力じゃなく、彼個人としての力8割でアートを潰しかけた時…。
さすがにヤバイと思ったのか、どこからか情報を聞きつけた❝レイシストのアホボン❞が直筆でBNのソン・テヒョン宛に謝罪状を送ってきた。
それでもソウルタワーグループとカンナム百貨店グループは、まだ味剣と取引をしている。結局の所、値段が大して変わらないのであれば帝国系列と取り引きを続けた方がグループの格が上がるし、何らかの形で帝国との繋がりは保っておきたいんだろう。
面白い事に味剣も今まで帝国の組織図の中ではそこまで大きな利益が出てなかったハズなのに、あの事件から色々と味を占めたのか……そこから小さなスーパーや個人経営のデパートにまで手を広げていって、実際にこの一か月で月商2億から3億2000万までの数字に変貌させたのは流石の一言だ。
そりゃ、アホボンも焦るに決まってる。大事な2件の取引先を味剣に取られたんだ。
『財閥だぜ』なんてタカを括っていたアイツらも、ほとぼりが冷めるまで待っていたら本気でヤバイと思い、早いうちに対処する事になったんだと思う。
あの一連は──本当に、彼の凄さを思い知った。
あれだけ出来るんだから、今思うと私が会社をクビになったり家を勝手に売られたりした事も『されて当たり前』だったんだ。
私が悪いという意味ではなく、そんな事をしてしまうほどの力を持っている──という意味で。