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シャネルを着た悪魔
第9章 ☆CHANEL NO9☆
「……。」
どんなに普通の顔して、どんなにお酒の匂いをシャワーで消しても、彼にはバレてたんだ。
「お前とヒョナが、三本か四本か知らねえけど死ぬほど酒空けた時に、誰も変な男が腰に擦り付けてきたり、ダルい絡みをされなかったの、不思議じゃねえか?」
「全部、俺が手回したんだよ。スタッフや知り合いに頼んで、俺の大事なお前と──お前の大事なヒョナに悪い虫が付かない様にしてもらった」
「なあ、リサ」
「──はい。」
何時も守ってくれてたんだ。
何時も──なにも知らないフリして、私を理解しようとしてくれてたんだ。
「俺、自分で見栄張ったんだ」
「バカだから素直になれねえんだよ」
「言わなくて良いよ。」
「あ?」
彼の言いたいことはわかった。
だからこそ──新曲『TOXIC』の歌詞だ。……私が彼の顔を立ててあげる。
「ヤキモチ、妬いて良いよ。」
「私と貴方、カップルでしょ。」
これが、私の本心じゃなかったとしても──本心だったとしても──。
「私、ソンテヒョンに惚れちゃったみたい」
ねえ、貴方のほしい言葉を言ってあげる。