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シャネルを着た悪魔
第10章 ☆CHANEL NO10☆

又も現れたブロンドの美女。

今度は泣いていた。


すすり泣く度に、綺麗でくびれのある背中が少し揺れる。

その周りには、お堅いスーツを着た男性二人が居た。

いつもの男の人じゃない。

──何だか、友達とかそういうのじゃなさそうな雰囲気だ。

とても重苦しくて、彼女が泣いていても男性二人は平気な顔をしている。


『私は、彼と一緒に居れないの?』

『──、貴方次第じゃないんですか』


突然、何か思い立ったのだろうか?

ブロンドの美女は、ベッドサイドの引き出しから黒皮の手帳を取り出すとボールペンで何かを殴り書きしだした。


『HELP HELP HELP』

とても綺麗とは言えない、その筆記体は──彼女の今の荒んでいるであろう心を表している様だった。

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