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シャネルを着た悪魔
第11章 ☆CHANEL NO11☆
「遅い」

「ごめんごめん」

シートベルトを着けるなり、車を発車させる妹のエレナ。

「今日の格好、良い感じじゃん」

「そう?全部安いけど」


ブラジルの人気ブランドFARMとコラボしているアディダスのTシャツにライトーンのスキニーデニム。足元はインヒールだろう。

韓国ではよく見る代物だ。インヒールってのは──本当に考えた人、天才だと思う。スニーカーをはくだけで背が高く見えるんだから。


「値段じゃない、年と見た目と内面に合ってるかがファッションには重要なんよ」

「へえ。誰が言ってたの?」


「友達」



「──ソンテヒョンか」

バックミラーでバッチリと目が合う。


さすが血筋。私には彼女が、自分の言った言葉に疑いも戸惑いも何一つ持っていない事がすぐに分かった。

「何、あんた英語分かるん」

「分かるよ。」


「しかもツイッターで動画回ってたやん。あの英語のアクセントと声はお姉しかおらんやろ」


やはり若者。情報源はネット。

これが『ネット社会』ってやつ。

「私はK-popあんまり興味ないから良いけどリョウさんと戻ってほしかった」

「リョウはリョウで今、別の道で生きようとしてるんよ。私が別の道で生きる事を決めた様に」


「でもあの人は良い人やと思うけど?あんだけ愛してくれる人っていた?」


「居るわよ。」

「誰?」



「ソンテヒョン。」

彼は──リョウが私を愛していた以上に愛してくれてるだろう。

実際問題、あの子と付き合ってた時は何度か他の女の影を感じたけどテヒョンに限ってそれは無い。

傷付くのが怖いから、全部受け入れるフリをしてるだけの私からしてみれば、ここまで何も噂が無いと逆に恐れ多くなってくる。


「黙ってるからさ」

「分かってる、リョウの時みたいにサインでしょ」


「そう。ちゃんと名前も入れてもらっててね」

まあ、この子が口堅いのはリョウの時で実証済みだし──サインで済むなら、問題ないかな。


それにしても月日の流れは早いものだ。

昔は部活に明け暮れて、あまり勉強できなかった妹が英語を理解して──今、彼女自身の運転で関空まで送ってくれている。

そこまで年齢差は無いけど──それでも、やっぱりどこか寂しい様な嬉しい様な、まるでそんな気持ちになったのは言うまでもない。
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