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シャネルを着た悪魔
第12章 ☆CHANEL NO12☆


───カレンダーを捲ると、ジン君が凄い色気のある表情をしている写真がドアップで目に入った。

人のセンスをごたごた言う割りにソンテヒョンも大概変わったセンスをしている時があると思う。普通……自分の家に自分が所属するグループのカレンダーを飾るだろうか?

しかも愛用しているなんて、とんだナルシストだ。


韓国に来てから今日で丁度、八か月。日本に居た一か月近くの月日は私をとてもリラックスさせた。もう八月だ。

あと四か月で年末になる。


私が初めて韓国という大嫌いな土地に足を踏み入れて──、一年か。

あの時にソンテヒョンに出会い、喧嘩を売り……彼は私に興味を持った。そして何かに呼ばれたかの様に今が有る。

彼が『呼び込んだ』の方が実際は正しいのかもしれないけど。


でもアミューズがBNを担当していなかったらテヒョンと二度目の再開は出来なかっただろうし、居酒屋でポールの名前を出してなかったら私は彼を家に泊まらせなかった。

彼のオンマが帝国の会長と『神様の悪戯』で出会った様に、私とテヒョンの出会いにもそれに近いモノをひしひしと感じる。


スーツケースの中に入っている衣類をまとめて紙袋に入れなおした。

これはクリーニングで──、これは自宅で洗濯。


ああ、こうやって荷物を整理するのが面倒クサイ。



少しサボろうかと思った時──。

懐かしい音が聞こえる。カードで部屋のロックを解除する、あの独特の音だ。


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