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シャネルを着た悪魔
第13章 ☆CHANEL NO13☆

昔は、少し古い歌を聞いて共感するなんて有り得ないと思ってた。

浜崎あゆみとか今で言うと西野カナとか、そういう若くてかわいい女の子が歌う歌こそ共感を生んでくれると……そう思ってたのだ。


でも、年を取ったのかな?

今聞いて涙を流してしまうのは、シャ乱Qの『こんなに貴方を愛しているのに』。歌詞が私の涙腺ドストライク。

──私の環境が似ているから泣けるっていうのも、きっとひとつの理由なんだけどね。


「ねえ、あんたいつまで休みなん?」

「とりあえずまだ休み。有給消化中」

嘘を付くのにも慣れた。

もう一ヶ月、この言葉を繰り返してる。


「ええ会社やな、韓国支部をリニューアル中に社員に有給か…。」

「お母さんも社員で働くなら、そういうところが良かったわ。」


「トラック運転手、似合ってたよ」

「あれはあれで楽しかったけどな。」


今は為替に目覚めてる母親。

毎日朝早くから少しパソコンを触って、あとは自由気ままに過ごしている。

この人は自分の力でお金を生み出してくる。

……純粋にそこは尊敬だ。


「なあ、8チャンかけて」

「何でよ。今からサスペンス見ようと思ってたのに」

「そんなさ、一日何本も見て犯人交ざらへんの?それがすごいわ……」

「ちゃんと皆、動機が違うからな。」


いいながらも、私が帰国してからの一ヶ月毎日見てるニュースにフォーカスを合わせてくれる。


結局……ゴールドカードもクレジットカードも嫌みったらしく使ってやろうと思い日本に帰国する時の飛行機はビジネスにした。

帝国が持ってる一番の売り上げを誇る大韓航空使用、約一時間半の旅でビジネスって……本物のリッチだよな。と思う。


日本では、さすがに使ってないけど。

家に居てご飯作るか、妹とウォーキング行くか、家族で温泉に行くかのどれかだ。腐人みたいな生活に戻ってしまった。

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