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シャネルを着た悪魔
第13章 ☆CHANEL NO13☆
「そういえば最近肌荒れ凄いんよ」
「例えば?」
「何し、乾燥よな。パック付けたらヒリヒリする」
「それ相当やな。精製水顔に付けてから化粧水塗ったらどう?締めは馬油クリーム」
「馬油?あんた嫌いやったんちゃうん?」
「嫌いやったけど──保湿には最適やし、乳液とか美容液とかの間に挟んだら仲介役にもなるし使い勝手は良いんよ」
人から教えて貰った知識を、まるで自分の知識みたいな顔して言ってみた。
「へえ……。明日薬局で精製水と馬油買おうかな」
「いいんちゃう?きっと二つ合わせても1500円くらいやし」
天気予報が終わった瞬間に映し出されたのは、ニューヨーク州に位置するマディソン・スクエア・ガーデンだった。
丸い特徴的な外観と、沢山の観客を収容できるだけのスペースは、一度見たら記憶に残るだろう。
「スクエアガーデンか、ラルクがライブした事有ったよな」
「ラルクってハイド?そうなんや。」
「うん。何か一時期話題になってた気がする」
まだ夕方だし、間食は今のうちに。
母が剥いてくれた梨を頬張りながら日本のドームとは桁違いの建物を見ていた。
『ここはラルクアンシエルさんが日本人初としてライブを行った事で有名なマディソン・スクエア・ガーデンです』
『もう既に明後日の会見に備えて、沢山の記者やカメラがスタンバイしています』
『イギリス、フランスと言ったヨーロッパのテレビ局や新聞会社も目立ちますが、やはりアジアがダントツの規模ですね』
『その他にもブラジルやメキシコなどの大手取引先企業の重役や、メディアの姿も目立ちます。これだけの注目の中行われる明後日のの会見……ですが、先行きどうなる事か』
『ここでスタジオの辛抱さんに突然ですが、問題です。このスクエア・ガーデンでは、あの有名な人が妖艶な歌を歌った事で知られていますが』
『それは誰でしょうか?』
ツイードスーツを着た栗色の女性が、愛くるしい笑顔で関西では引っ張りだこの辛抱さんに質問していた。