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シャネルを着た悪魔
第13章 ☆CHANEL NO13☆
48階のエレベーター前には、私が電話をしていた人。
そしてその横に立つ──あの日、韓国でテヒョンのお母さんの事を聞いた時にニュースに映し出されていた家族写真の白髪の紳士。
「リサさん?!」
「……イさん!」
閉まりかけた扉を強引にこじ開けて、フロアに降り立った。
誰も居ない、絵画の飾ってある此処には私達三人のみ、そう帝国の内情を知る三人──。
「どうしてここに?」
「それは私の台詞です!」
「僕は、そりゃ会長秘書なんだ。付いてくるよ」
「──君は、君はどうして日本じゃなくアメリカ、いやっ……。このRXコンチネンタルに居るんだ」
「私は……。」
呼吸を整えた。
さすが帝国を大きくした人物だけあって、眼力が凄い。
気を抜くと自分のオーラまでも吸い取られてしまいそうだ。
「私は──会長にどうしても言いたい事があって、ここまで来ました」
さすがに、ここで会うなんて予想外だったけど。
でもイさんに頼んで時間を作ってもらう手間が省けた。