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シャネルを着た悪魔
第13章 ☆CHANEL NO13☆
涙を流したのは私の方だった。
マリリンモンローの言葉に、こういうのが有る。
『愛とは信頼する事よ』
──互いが昔から信頼し合っていたら、これほどまでに長い確執は生まれなかったと思う。
でも皮肉な事にその信頼を外に出せなかった。
だから互いに『嫌われている』と勘違いをしたままだったのだ。
私はテヒョンの事を愛している。
愛しているからこそ、彼の本当の想いに気付けた部分が有ると思う。
そして会長の事も愛している。
それは──テヒョンを存在させてくれて、尚且つその彼が表には出せないけど心の中には確かなる『愛』を持つ相手であるから。
二人の思いを繋ぐ事が出来たのは、私が双方を愛せていたからだろう。
「リサさん」
「……っ、はいっ」
「君の事を信用するよ」
「────」
「僕も、まだやり残した事が沢山ある。実はね早く孫の顔も見てみたいんだ。」
「だから死にたくない。帝国としてやりたい事も沢山有る。人材育成も、アラブへの進出も──。」
「その話が本当に『予知』なのか、それともソコに黒子を描く位愛しているリサさんが作り出した『ただの夢』なのかは分からないけど」
「でも、君は大事な息子が大事にしている、とてもピュアで優しい大事な女性だ。」
「明日午前10時から、ガーデン・スクエアで行われる会見──私たちの通訳として、隣に居てくれないか?」