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シャネルを着た悪魔
第15章 ☆CHANEL NO15☆
すっかり理解出来る様になった韓国語……。何だか、理解できても全然嬉しくない。
夕方18時、又も乗り込んだマイバッハのテレビを消して音楽に切り替えた。
バックミラーに映る私の目は赤く腫れてる。
テヒョン曰く『その顔はその顔でアンニョイな感じして良いじゃん』らしいけど、日本人的感性からすると、ただのブスだ。
サファイアのメンバー五人、マネージャーさん一人、私とテヒョン──という合計八人でのご飯に誘われた。
泣いて、ドライブして、又家で泣いて……ってしてた私は無理に化粧をさせられて、服も着替えさせられた訳だ。
今日は、ブラジルの有名ブランド・ファームの派手なレギンスに上はシャネルの真っ白のトレーナー。
胸元には『CHANCE』という、人気の香水の名前が描かれている。
ちなみに、テヒョンはそのトレーナーの黒を着てる。俗に言うペアルック。
さすがに下は、私が履いてる様なお花が描かれたモノじゃないけど……。
「帝国帝国って煩いと思わない?」
「はは、しゃーねえよ。」
「別に長男が捕まろうが、シンビさんと離婚しようが良いじゃんね。」
「暇なんだよ。次元の違う人物を見て、そいつの粗を探すのがこういうヤツらの仕事だからな。」
「それでも!──何か、聞いててイライラしてくる。」
「まあ、お前は内情を知ってるから……。でもお前強いよな、ってジンが言ってた。」
「私?」
「そう。あんだけSNSで話題になったのに、気にする素振りもなくあの場に現れて親父を庇って……」
「それが引き金になってお前の噂は爆発した。でもお前は全く気にしてない、それをアイツは驚いてた」
「何で気にする必要が有るの?見なかったら、書かれてるか書かれてないかすらも分からないよ。」
「見ないという行動を選択出来るのが、お前の強みなんだろうな。」
笑いながらそう言う私の彼氏は、対照的に弱い部分が有る。それは私もよく知ってるんだ。
人一倍強がりなくせに、強く見られたいくせに──実は繊細でネガティブで寂しがりやの甘ったれ。
でも、それでも好きなのは『彼が私を死ぬほど愛してくれてる』から。
そして『ここぞと云う時はやってのける強さ』も持ってる。
そう思うと、こういうタイプの男の弱さは強さにも成りゆる事が分かるよね。