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シャネルを着た悪魔
第16章 ☆CHANEL NO16☆
二日酔いの頭を押さえながらベッドサイドの目覚まし時計を止めた。テヒョンは朝早くに仕事で出て行った筈だ。
今日ばかりは起きれなかった私を、とりあえず午前中には目覚めさせたかったのだろう。ただいまの時刻AM10時。
真っ白のシーツで裸体を隠しながら、とりあえず寝起きの白湯を──と思ったら、目の前にはいつもの天然水ではなくて、ミルクティー。
昔『寝起きにミルクティー飲んでタバコ吸うの最高よ。ただし口臭がヤバイ事になるから一人の時だけ出来るご褒美』と語った事を覚えてくれてたんだろうか?
重い腰は昨日の情事の激しさを思い出させる。
……結局、帰宅したのは0時を回っていた。二人共泣いてしまったから疲れたし、何より酔ってるし──と思った私が甘かったのだろう。
『お前の足悪い時は我慢してたんだ、後少しの回復で完治なんだから……今日くらい良いだろ、抱かせろよ』と言われて、唇を奪われた。
普通は完治するまで待つよね。
彼の事だから『体位には気を使った』とか『お前は喘いでて一切動かなかっただろ』とか言いかねない。……はあ、私も熟年夫婦の奥さんみたいになってきたな。
思う事・感じる事は有っても相手の性格を理解しているから喧嘩になりそうだったりする事は言わない様になった。
それを良いと取るのか悪いと取るのか……、でも『彼と側に居れる今が幸せ』だから、どうって事ないんだろう。