この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
シャネルを着た悪魔
第16章 ☆CHANEL NO16☆
カップラーメンの残り汁を流して、軽く洗い物を済ませると寝起きからもう二時間も経っていた。
やっぱり二日酔いの日は行動が遅い。まだお風呂にも入ってないし歯も磨いていない。
その癖、ご飯食べてミルクティー飲んでタバコ吸って……と好き勝手してるんだから、私が口臭検査機に息を吹きかけたら、もう大問題だ。
どうせ決まった事しか報道しないテレビに飽き飽きしながら、洗濯物を回そうと廊下に出た時……鍵が開くのが見えた。
「わあ、おかえり」
「何だよ。ってか、まだパジャマか?」
「うん。アンタ昨日寝たの三時前で何時に出てったの?」
「今日は六時からラジオだったから、五時半には家出たかな」
「やばい。」
「やばくねえよ。金のかかるデブが一匹いるんだから養わねえとダメだろ」
「デブって何よ!しかもお金かからないしっ」
「こんなに家中に”札幌ラーメン”の香り漂わせといてよく言うな。昨日もアレだけ食べたのに今朝一でラーメン食べれるその神経が分かんねえわ」
「私はまだ『完治』はしていない女を抱いたアンタが分かんないわ」
「好きだったら抱きたくなるだろ。何当たり前な事言ってんだ」
シャネルのローカットスニーカーを脱ぎ捨ててから悪魔の様な笑みで笑うテヒョン。
ああ、本当に彼は『シャネルを着た悪魔』だ。
今日は全身シャネル。さすがにここまでシャネラーだとは出会った当初、全く思わなかったな。
「風呂入ったのか?」
「まだ」
「はあ?歯は?」
「まだ」
「──最悪だな、おめえそれでも女かよ」
「うるさいなあ。帰ってきて速攻そうやってイヤミ言うの辞めたら?」
「事実だろ。」