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シャネルを着た悪魔
第17章 ☆CHANEL NO17☆
家の大きなテレビには、今国内で一番視聴率を取ってると言われてるワイドショーが流れてる。
話題は──あの事しかない。
パネルにはツイッターなどのSNSに投稿された面白い内容や、ファンの人のリアルな嘆きが山の様に乗っていた。昔流行ったコルクボードを見てる気分になる。
サファイアが正式に活動休止を発表した昨日でさえも、新聞各社がテレビ各局が、ここぞと取りあげて凄い事になってたのに──。
昨日、テヒョンが帝国の会長、イム・テミンの隠し子で有った事実。
帝国を継ぐにあたって、今まで空白だったテヒョンの戸籍の父親の欄にテミンさんの名が記載される事実。……それら全てが発表された。
混乱されるのは予想してたみたいだけど……
それでもあんなに優雅に四人で懐石料理を楽しんだ空間がウソみたいだ。
この二日間なんか事務所の前にも家の前にも何十人と云うメディアが居る。
隣で寝ころびながら、レモンティーを飲んでいるコイツの『一言』を聞くために──。
「なあ、見ろよ」
「うん?」
『さあ、ここで20万リツイートされた投稿を見ましょう』
『”世界的なモンスターグループのリーダーが実はアジアナンバーワンの財閥御曹司だった。なんてソン・テヒョンと云う人間はドラマの主人公だ。片や就職難で困る若者……。希望が有れば絶望も有るよね”』
『──深いと思いませんか?』
『そうですね。そりゃ~芸能人ってレベルでは収まらないほどの地位を持つテヒョンさんが、同じくして財閥というただのレベルでは収まらないほどの家の子どもだったなんて』
『確かに女性にとっては夢が有りますが、自分の力で頑張ろうとしている男性には夢は無いですよね』
『ですねえ。一緒に取り上げた例の日本人女性も、どうやら帝国グループの会長とは既に顔合わせをしている様です』
『二人揃って惚れた相手が日本人ですか』
小ばかにした様に眼鏡が言った。
そして、”ソレ”を小バカにする様に反論したのは私もテレビ局で見た事がある有名俳優。