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シャネルを着た悪魔
第17章 ☆CHANEL NO17☆
とろけてしまいそうなキスをして──
その瞬間を慈しむかの様に二人の唇が同時に、ゆっくりと離れる。
お姫様抱っこをしながら、本当に嬉しそうな顔をして私をリビングまで運ぶ彼はふと、何か思いついた様な顔をした。
「──なあ、それにしてもお前も凄いタマだよな」
「何が?」
「いくら俺の親って言っても、アイツの所へ一人で乗り込んで話し聞いてもらおうとするんだから──すげえと思うわ」
「そう?携帯も忘れてたから誰にも連絡取れなかったし、ティーとか事情を知ってる子達も留守だったし……」
「それでも、だよ。まあドコか訳分かんねえ所行って変なことに巻き込まれてないだけマシだけど」
「会長ね、最後私にこう言ったの」
「ん?」
「『これからは私の事は──会長じゃなくて、アボジと呼びなさい』って」
はは、と大きく笑う彼。
下から見てもその笑顔は美しいという言葉がピッタリだった。
「あいつも良い所、取りやがったな」