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シャネルを着た悪魔
第18章 ☆CHANEL NO18☆
マリリンモンローとは、とても孤独な女性で有ると思う。
彼女は人一倍の努力と勉強をして自分の力で大スターという地位を築きあげた。
でも──素敵な家庭っていうのは作れなかった。
逆に私はどうだろう?
未だにネットで叩かれる事も有るし、テヒョンの横を歩いた時なんかは自分のスタイルの悪さが際立ってしょうがない。
だから彼女の様に『大スター』とか『セックスシンボル』には成れない。
でも、素敵な家庭を作る事が出来た。
そりゃ、泣いたし叫んだし怒ったし気が狂いそうになった事も何度も有る。
いつになったら日本に帰れるんだろう、と云う思いを持ちながら彼を利用する気で韓国で生き続けていた二か月間。
自分の気持ちを素直に認める事が難しかった四か月間。
──半年間の間で二回も死にかけた。
───四年の間で、何度も自分の外見を恨みテヒョンの事を完璧に信じてあげる事が出来なくて無駄な疑いを持った事もあった。
……でも私が心底愛した男は私の事を裏切らなかったのだ。
私と──共に『家庭』を作る準備を着実に進めてくれていた。
ねえ、人間って不思議だよね。
あれだけのスターでも得れなかった事を、私は得れたんだもん。
人を本気で愛して──愛されるっていう世の中で一番難しい事を。