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シャネルを着た悪魔
第18章 ☆CHANEL NO18☆
「お母さんが──財閥に嫁ぐってお姉が言った時に止めなかったのは……」
「きっと愛子さんを見ていたからやと思う」
「……。」
「そりゃね他人から見れば、賛否両論の結婚よ。しんどいんじゃないの?って心配も有ればお金の苦労はしない訳だから羨ましい!って意見もある」
「でも──きっとお母さんは知ってたのよ」
「財閥として男を愛してしまったら、その結婚生活はしんどいモノになるけれど」
「人間としてその男を愛した場合は──何が有っても乗り越えれるし、辛くも何も無い事を」
泣き声が一人分、増えた。
泣き虫の双子じゃない。
──母になり、強くなった『私』自身のものだった。