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シャネルを着た悪魔
第19章 ☆COCO CHANEL☆
広いゲートを抜けると目の前に見えるのは、本来なら絶対に入ったらダメな筈のこの場所にヤクザ停まりしている大きなリムジン。
「……ねえ」
「おい、アボジ」
夫婦の声が被った。そう、私とテヒョンの声。
「何でこんな所にリムジン有るの!?」
若い子も、海外からの観光客も皆、ドアを開けて私達を待つこの空間に戸惑っている。
此処は、ハリーポッターが出来て……ジェットコースターも出来て……本来なら『ただの車』になんか視線が移らない様なユニバーサルスタジオジャパンだと云うのに。
「テテとアイが危ない「危なくないわよ!何言ってんのっ」
「………。」
「あのねえ、此処は日本よ」
「しかも私はマリリン・モンローでもないし彼はケネディ大統領でもないの」
一昨日に世界的に報道されたニュース。
それは『マリリンモンローは他殺だった』という事と……
『彼女の殺害はケネディ大統領の奥様であったジャクリーンの指示』によるものだったという全国民が驚いてひっくり返ってしまいそうな衝撃。
大きな圧力で守られていたであろう、ジャクリーンが話している証言テープも出された。
ケネディ殺害の真実はまだ──海の底にあるんだろう。浮き出てくる様な事は有るのかな?
「だけどね、リサ」
「アボジ、だけどじゃないの。私はこの子達を公立の小学校に行かせるつもりだし『財閥の御曹司』として育てていく気はないのっ!」
「でも、テヒョンがケネディの様に憎まれていたらどうする?リサが、ジャクリーンの様な女性に狙われて殺害を試みられたらどうする?」