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シャネルを着た悪魔
第2章 ☆CHANEL NO2☆
だけどお調子者の部分は置いておいて……リョウは良い男だった。
学生と芸能人というだけで価値観なんて違うハズなのに、それを押し付けることなく何なりと妥協をしてくれて、そして二人の時間を作れる時は目一杯沢山遊んで、楽しませてくれていた。
私が知らないところでは、女の子と一緒にご飯にいったり、遊んだりしていたと思う。
ドラマで共演していた子は皆かわいかったし──。お付き合いというのもあるだろう、芸能界は史上最強の縦社会なのだから。
それでも……私の目に入らないからこそ良かったし我慢出来た。
だけど週刊紙にのるとなったら別だ、イヤでも知ってしまう。相手の顔や、遊んでいた場所も、リョウの表情さえも。
「はい、じゃあ今日は!宣伝をね、させて頂きます!」
元気の良いルイくんの声で、ふと我に返り前を向く。その時に……バッチリとリョウと目があった。
わざとワイングラスを持ち直して私に指輪を見せる様にしてくる。その指輪は私と同じデザインだった。
そして──その行動の意図を理解したのだろう、テヒョンが後ろを振り向いた。
彼とも目が合う。彼の目はー…あの最後のデートの時のリョウみたいに冷たかった。
しかもリョウのやつ、指輪を薬指にしている。右手だからまだマシだけど日本のファンは神経質な子が多い。あぁいうの結構気付くのに……。
彼達のアルバム、そして日本ツアーの宣伝を流暢な日本語で話すルイ君の事は無視してネットが荒れないかとか、そんなのばかり心配している私。
今年の年末に起こった、こんな事。
──来年はえらく大変な年になりそうだなぁ~と思い苦笑いを浮かべた。
さ、目の前で『最高のワイン』を飲んでいる姿を見ると、さすがに私も何か飲みたくなってくる。リョウは仕事の続きがあるだろうし──今日は一人でどっかで一杯引っかけよう。