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シャネルを着た悪魔
第3章 ☆CHANEL NO3☆
よくある韓国ドラマに出てくる【財閥】とは、それはもうレベルが違うくらいの【大財閥】だ。日本で言うなら昔の三菱や住友と引けを取らない。
【明日の朝11時から、帝国グループ代表の記者会見が行われる予定です】
綺麗なアナウンサーが原稿を読み終えると、その隣に座る最近テレビで引っ張りだこの女優さんがゆっくりと口を開いた。
【ローマ・コスメとして、大統領へ賄賂を渡したという事ですか?】
【はい、そうなりますね。理由は、韓国で来年の3月に行われる”ワールド・ビューティフル・コスメティック大会”での宣伝だったとされています】
【スポンサーになれば良かったのに、どうして賄賂という形になったんでしょうか?】
視聴者と同じ目線の質問をしてくれる彼女は、本当に分からないのだろうか?それとも──分かっていないフリだろうか?
【その大会は、世界各国からコスメの資格を持つ者や検定を実施している会社のトップなどが来て、今季一番のコスメ会社を決めるというものなんです】
【多分、大統領へ賄賂を渡してるという事は──しばらくして、その人達へも賄賂を渡すつもりだったんでしょう。大会で優勝すれば、その金額よりも遥かにバックマージンの方が大きくなりますからね】
【なるほど。じゃあ、優勝するための資金ですね】
【そう捉えるのが早いかと】
写真が映し出されているイム・ヤン氏は、第一印象では冷酷そうな顔をしている。……でも不細工では無かった。
今年で42歳だったと思う。
「韓国も大変ね。また財閥への風あたりが強くなるわよ」