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シャネルを着た悪魔
第3章 ☆CHANEL NO3☆
「強くなったとしても滅びる事がないのが財閥だ」


彼から返ってきた言葉は意外なモノだった。……芸能人こそ財閥を毛嫌いしてそうなのに。


「成金にも財閥にも芸能人にも風あたりが強い。それが韓国だ」

「どうしてだろうね」


「決まってるだろ。自分より裕福で良い暮らしをして、良い待遇を受けてるからだよ。」

「人間の嫉妬は、そういうモンなんだ」

立ち上がった彼は遠い目をしていた。


「何?どうかした?」

「何で」

「顔つきが違う」


「……。」


「まさか、この人の息子とかじゃないでしょうね?」

「違うだろ」


そこで、やっと笑ったテヒョン。


「なら良いけど。辞めてね、アジア最大の資産を持つ帝国グループの子息でアジア最大のスターグループのリーダーなんてドラマ過ぎて洒落にならないわよ」

「安心してくれ」


じゃあな。と頭を撫でられてから、さきほど説明した寝室へと向かっていく背中を見つめる。


もしかしたら──帝国まではいかなくても、財閥出身なのかもしれないな。と心のドコかで彼への疑問を覚えた。
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