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if…─もしも、ちーちゃんが女子高校生だったら…
第1章 もしも、ちーちゃんが女子高校生だったら…
─とある日の放課後…
予定されていた委員会の仕事をようやく終えたアタシは、教室までの道のりをひとり足早に急いでいた。
「はぁ、思ったよりも遅くなっちゃったな…」
さすがにこの時間にはもう誰も残っていないだろう…と、少し寂しい気持ちで教室の扉に手をかける。
…と、
「遅ぇよ…」
「…!!」
開いた扉の先から掛けられたその声に、思わず目を疑った。
─窓際の一番後ろの席…
オレンジ色の光のなかに見つけたひとつの影に胸が鳴る。
カバンを肩に背負ったまま机に腰掛けて、第2ボタンまで開いたシャツの上に羽織ったグレーのカーディガンの袖はズボンのポケットのなか。
どのくらいそこにいたんだろう…
不機嫌そうに俯いた彼のもとに自然と足が駆けた。
"今日は遅くなるから先に帰ってていいよ"って…
「え、なん……」
「…別にお前を待ってたわけじゃねぇよ。忘れ物とりに戻っただけだ」
…そう驚く声を遮る彼が、アタシのカバンを持ち上げる。