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if…─もしも、ちーちゃんが女子高校生だったら…
第1章 もしも、ちーちゃんが女子高校生だったら…
そこにはいつもけして崩れることのない余裕も冷静さもどこにもなくて、代わりにそこにあったのは驚きと焦り、そして…
「でも…っ、入れ…なッ…くて…」
どこかやるせない、とても悲しくて切なそうな表情で…。
そして今も…
アタシの涙に詰まられた途切れ途切れの声に、ハッとして静かに手を止めた先生もまた同じ顔。
「…悪い」
少し長め前髪の影に、伏せた長い睫毛の影を重ねて…
「……そうだよな…。すまない…」
そう静かに呟いた先生の切なそうな声が耳に届く。
それからいつになく優しい指先が涙を拭うように頬に触れて、まるで壊れ物を包むかのようにそっと抱きしめられる…。
「もっと早く気付いてやれなくて…ごめんな」
…引き寄せられた温かい胸元から先生の鼓動が聞こえる。
アタシは心地良いそれを耳にしながら静かに瞳を閉じた。
──fin…
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